本場結城紬の紹介
幅や長さ、打ち込み本数などの16項目の厳しい検査に合格した反物は下に表示されたラベルを左端に「合格」が、右端に「本場結城紬検査之証」が貼られます。
このラベルが貼られた反物は正反として流通しますが、検査に合格しなかったものは、「合格」のラベルは貼られることはなく「本場結城紬検査之証」の部分に不合格理由の印が押されます。
※産地では古くからの技法を尊重、遵守するために、高機において絣を織ることは検査規定では認められていません。
- 参考リンク:
- 茨城県工業技術センター繊維指導所
- 本場結城紬卸商協同組合
本場結城紬の特徴
本場結城紬の最大の特徴はなんといっても着心地です。
その着心地は本場結城紬に使われる糸に秘密があります。
真綿から指先で紡ぎだす糸は無撚の糸(よりをかけない)となり、その糸は空気を含み、保温性に優れ、軽く、そして着崩れのしにくい至福の着心地を味わうことができます。
証紙
お客さまにとって、いちばん分かりやすいのが「結」マークです。
証紙は、反物に貼られている証紙が「セット」であることが前提ですが、このマークが本場結城紬を見分けるときに、ひと目で分かりやすいポイントです。
「高機」は右端の証紙がオレンジ系の色。「地機」はグリーン系の色となります。また、地機織りの右端の証紙には、「本場結城紬縮織之証」と記されています。
素材
真綿から指先でつむぎ出した糸を100%使用(無撚糸)。
織り
手織りである(地機or高機)。
※検査を受検する製品は、高機は無地・縞・格子のみ。絣を織る場合は地機のみという規定があります。
種類
平織り・縮織り・八寸、または、九寸なごや帯・角帯・兵児帯などが生産されています。
地機
- 足を丸太(=踏ん張り棒)に当てながら、腰で経糸の張力を調整して織っていきます
- 杼(ひ)は刀のような形をしていることから刀杼(とうひ)と呼ばれ、緯糸を通すと同時に打ち込む道具として使われます
- 緯糸を1本づつ織り込むたびに紐のついた片足を前後させます。すると上糸下糸の下糸のみが上下して開口(かいこう)します
高機
- 人間の体と布・糸は離れています
- 杼は投げ杼(シャトル)を使用し、緯糸は筬(おさ)で打ち込みます
- 上下の経糸は、踏み木(ペダル)を踏みかえて経糸は開口します